日本頭痛協会とともに頭痛診療を発展させる
一般社団法人日本頭痛学会 代表理事 平田 幸一(平成30年11月~
日本頭痛学会の活動目的は、日本の頭痛医療を向上させ、国民の健康、福祉増進に貢献することにあります。そのためには頭痛研究を推進し、多くの国民が苛まれている頭痛の予防・治療を推し進めることにありますが、もちろん頭痛医療に対する啓発も行っています。
日本頭痛学会は創設以来ほぼ四半世紀が経過し、会員数も現在2000人を超え、学会事業の内容も充実してきました。すなわち、頭痛専門医の育成及び認定を行い、患者さんに分かりやすく、レベルの高い診療システム作りへの貢献を目指しています。さらには、時世代の頭痛医療者を育成するための教育セミナーである「Headache Master School Japan : HMSJ」という、しいていえば頭痛医療のマイスター(マスター)を育てる活動も活発に行っています。
日本頭痛学会と日本頭痛協会とは、日本の頭痛医療を推進することをミッションとし、これまで多くの活動を行ってきました。日本頭痛学会としては患者さんのための医療を包括的に行うための「頭痛医療を推進する患者と医療従事者の会(Japan Patient Advocacy Coalition : JPAC」という組織も作り、実際に多くの活動を行ってきています。
今後も日本頭痛学会と日本頭痛協会とは頭痛に苛まれる患者さんのために常に強調し、お互い補完しながら活動してゆく所存です。
日本頭痛協会とともに歩む頭痛診療
一般社団法人日本頭痛学会 前代表理事 鈴木 則宏(平成26年11月~平成30年11月)
私ども日本頭痛学会は、医師を中心として、頭痛医学の研究、診療、教育の推進に努力しております。脳の科学として頭痛の研究を進め、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など慢性頭痛のメカニズムが明らかにしてまいりました。それに伴って頭痛の診断や治療の技術も向上しています。しかしながら、「頭痛」は、これまで一般の方々には「腰痛」「腹痛」と同列のからだに生ずる「症状」であり、特別な病気ではないという誤って認識されていました。この誤った認識は、頭痛を持つ患者さんの医療機関受診を妨げるものであると同時に、医療者サイドにおいても研究と治療の発展を妨げるものでありました。
しかし、日本頭痛協会が発足して以来、「頭痛」特に「慢性頭痛(頭痛持ちの頭痛)」が独立した疾患の一つであることが社会に認識されるようになっています。すなわち頭痛でお困りの方々が、徐々に医療機関を受診してくださるようになり、特に生活支障度の高い片頭痛をお持ちの患者さんが特効薬トリプタンにアクセスできる機会が増えています。
日本頭痛協会は、頭痛の医療に関心のあるすべての方々に参加していただく組織です。それぞれの頭痛に有効な治療法があること、頭痛の悩みが科学的に解消されつつあることを社会に広く知っていただき広めていくことが本協会の目的です。頑固な頭痛を何とかしたいと思っておられる方々が支えていただく日本頭痛協会と日本頭痛学会とが手をたずさえることにより、これからの日本の頭痛医療がさらに良くなっていくことを期待しています。
日本頭痛協会の活動に期待する
一般社団法人日本頭痛学会 前々理事長 坂井 文彦( ~平成26年11月)
日本頭痛「学会」は、医師を中心として、これまで頭痛医学の研究、診療、教育の推進に努力をしてきました。脳の科学として頭痛の研究を進め、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など慢性頭痛のメカニズムが明らかにされてきました。頭痛の診断や治療の技術も向上しています。診断と治療のガイドライン作成、頭痛専門医の育成なども日本頭痛学会の会員が努力してきました。
しかし、未だに慢性頭痛の悩みが、「頭痛ごときで」としか扱われず、社会一般のみならず、医学者のなかでも「頭痛持ちの頭痛」が十分に認識されていません。わらにもすがりたい気持ちで、テレビのバラエティー番組に振り回されているのも現状です。
日本頭痛「協会」は、頭痛の医療に関心のあるすべての方々に参加頂く組織です。慢性頭痛(頭痛持ちの頭痛)が病気の一つであることを社会に認識して頂きたいと思います。有効な治療法があること、頭痛の悩みが科学的に解消されつつあることを社会全体にアッピールすることがミッションです。
医学専門家も少しずつ「頭痛の医学の奥の深さ」に気づき初めました。慢性頭痛の悩みの大きさについての理解も社会に広がりつつあります。まだ十分ではありませんが、「されど頭痛」の認識が広まってきました。「頭痛もちの頭痛病」を何とかしたいと思っておられる方々と日本頭痛協会とが手をたずさえることにより、これから日本の頭痛医療がもっと良くなっていくことを期待しています。